HSK勉強法を始める前に知っておきたいこと
HSKに合格したいと思っても、「何から手をつければいいのか分からない」という方は多いです。特に初めて受験する場合、テキストを開いても不安のほうが大きくなってしまいがちです。そこでまず意識したいのが、「HSKとはどんな試験で、自分はどのレベルを目指しているのか」をはっきりさせることです。ここを整理しておくだけで、HSK 勉強法の方向性がぐっと見えやすくなります。
目標級と受験スケジュールを決める
最初にやるべきなのは、「どの級にいつ合格したいか」を決めることです。
・半年後にHSK3級に合格する
・1年かけてHSK4級を目指す
といった具体的なゴールを設定しておくと、学習計画が立てやすくなります。
試験日から逆算して、「残り○か月で単語をここまで」「残り○週間で過去問を◯回」とざっくり決めるだけでも、日々の勉強の迷いが減ります。ぼんやりと「いつか受けたい」と思っている状態より、合格までの道筋がイメージしやすくなります。
現在のレベルを簡単にチェックする
次に、今の自分のレベルを知るために、受けたい級の過去問を1回分解いてみましょう。最初はできなくて当たり前なので、気楽に「腕試し」のつもりで構いません。
・リスニングがほとんど聞き取れない
・単語は何となく分かるが、文法問題で落としている
・読解の長文になると一気に難しく感じる
このように、苦手なパートが見えてくるはずです。HSK勉強法を考えるときは、「全部を一度に伸ばす」のではなく、「弱点から優先的に対策する」ほうが効率的です。自分の課題が分かれば、使う教材や勉強時間の配分も決めやすくなります。
レベル別に押さえたいHSK勉強法のポイント
HSKは1級〜6級までレベルが分かれているため、自分がどの段階にいるかによって勉強法も少しずつ変わってきます。初級のうちは音声やフレーズに慣れることが大切ですが、中級以降は語彙や読解力をコツコツ積み上げる必要があります。ここでは、レベルごとに意識したい勉強のポイントを整理していきますので、自分の目標級と照らし合わせながら読み進めてみてください。
HSK1〜2級:音とフレーズに慣れる勉強法
HSK1〜2級では、「中国語の音と基本表現に慣れる」ことが一番のテーマです。
・毎日簡単なあいさつや自己紹介フレーズを声に出す
・テキスト付属のCDや音声アプリを聞きながら真似する
・ピンイン(発音記号)も一緒に確認する
といった勉強法が効果的です。
この段階では、文法を完璧に理解しようとするよりも、「聞いたフレーズをそのまま使えるようにする」感覚でOKです。短くシンプルな文を何度も口に出すうちに、自然と語順や言い回しに慣れていきます。
HSK3〜4級:語彙と文法をバランスよく伸ばす
HSK3〜4級になると、扱う話題や文章の長さが一気に広がります。そのため、語彙と文法をセットで底上げする勉強法が大切です。
・公式単語リストや単語帳を使って毎日10〜20語ずつ覚える
・例文ごと暗記して、実際に使える形で覚える
・文法書や問題集で苦手な文型だけをまとめて復習する
といった進め方がおすすめです。
また、リスニングや読解では「全部完璧に訳そう」とするより、話の流れやキーワードをつかむことを意識すると、実践的な理解力がつきやすくなります。
HSK5〜6級:読解とリスニングの量を増やす
HSK5〜6級を目指す段階では、基礎文法はすでに身についていることが前提になります。そのうえで、
・中国語のニュースやコラム記事を読む
・ドラマやインタビューなど少し長めの音声を聞く
・長文読解の問題を時間を測りながら解く
といった「量」を意識した勉強法が重要です。
難しい表現に出会ったら、その都度メモを取って自分用のノートにまとめておくと、復習もしやすくなります。上級レベルでは、「知らない単語が出ても全体の意味を推測する力」が合否を分けるポイントになります。
技能別HSK勉強法:語彙・文法・リスニング・読解
HSKのスコアを伸ばすには、単語だけ、文法だけ、といった偏った勉強法ではなかなかうまくいきません。試験は語彙・文法・リスニング・読解が組み合わさって出題されるため、それぞれの技能を少しずつ底上げしていくことが大切です。ただし、やり方を工夫すれば、限られた時間の中でも効率よく伸ばすことができます。ここでは技能別に具体的な勉強法を紹介します。
語彙を増やすときのコツ
語彙を増やすときは、「知っているつもりの単語」を減らすことがポイントです。
・単語帳を見て意味が分かったら、声に出して例文も読む
・日本語を見たときにすぐ中国語が出てくるかチェックする
・覚えた単語を使って短い日記や例文を書いてみる
などのアウトプットを組み合わせることで、試験中にも思い出しやすくなります。
また、よく出る副詞や接続詞(已経、还是、然后など)を押さえておくと、長文読解やリスニングの理解が一気に楽になります。
文法は「型」で覚える
文法の勉強では、細かい用語を覚えるよりも、「よく出る型」を例文ごと身につけるほうが実践的です。
・把構文、被構文など、頻出パターンをまとめてノートに整理する
・文法書の例文を声に出して暗唱してみる
・過去問で間違えた文法問題をジャンル別に分類しておく
といった勉強法が役立ちます。
同じパターンを何度も目にすることで、「この形が出てきたらこういう意味」という感覚が身についていき、試験でも素早く判断できるようになります。
リスニングは毎日の短時間トレーニング
リスニングは、まとまった時間を週1回取るよりも、短時間を毎日続けるほうが効果的です。
・通勤・通学中に問題音声を1セットだけ聞く
・スクリプトを見ながら意味を理解する
・スクリプトを閉じてもう一度聞く
・聞き取れなかった部分を重点的にシャドーイングする
この流れを繰り返すことで、音のつながりや抑揚に少しずつ慣れていきます。最初は半分しか分からなくても、継続することで「耳が育ってきた」と感じる瞬間が必ず訪れます。
読解は「速く大まかに→細かく」の順番で
読解問題では、「全部きれいに訳してから答える」勉強法だと時間が足りなくなりがちです。
・まず最初にざっと読んで、話のテーマと雰囲気をつかむ
・設問を先に読んで、何を聞かれているか確認する
・再度本文を読みながら、答えに関係しそうな部分に印をつける
という流れに慣れておくと、本番でも落ち着いて解きやすくなります。
分からない単語が出てきても、前後の文脈から意味を推測する練習を重ねることで、スピードと正確さのバランスが良くなってきます。
独学でも続けやすいHSK勉強法の工夫
仕事や学校で忙しい中でHSKの勉強を続けるのは、決して簡単ではありません。独学だと特に、モチベーションの波に左右されやすく、「今日は疲れたからいいや」と中断してしまうこともあります。そこで大事になるのが、「がんばる」よりも「続けられる仕組み」をつくることです。少しの工夫で勉強のハードルを下げることができるので、自分に取り入れやすいものから試してみてください。
勉強時間を「習慣」にしてしまう
まずは、毎日必ず中国語に触れる時間帯を決めましょう。
・朝起きてから10分は単語帳を見る
・寝る前にリスニングを1セットだけ聞く
・お昼休みに例文を5つ音読する
といった「小さな習慣」で構いません。大事なのは、「勉強するかどうかを迷わない状態」にしてしまうことです。習慣になってしまえば、やらないほうが気持ち悪く感じるようになり、自然と継続できるようになります。
アプリやオンライン教材を賢く使う
最近は、HSK対策に使えるアプリやオンライン教材も充実しています。
・単語暗記アプリで頻出語彙をゲーム感覚で覚える
・YouTubeなどでHSK向けの聞き流し音声を活用する
・オンライン模試で本番に近い形式を体験する
といったツールを組み合わせることで、スキマ時間も有効活用できます。紙のテキストだけで勉強すると飽きやすい方も、デジタル教材を取り入れることで、気分を変えながら学習を続けやすくなります。
モチベーションを保つための小さな工夫
長期戦になりやすいHSKの勉強では、モチベーション管理も重要なテーマです。
・1週間ごとに「できたことリスト」を作る
・新しく読めるようになった文章や聞き取れたフレーズを記録する
・合格後にやりたいこと(留学、旅行、転職など)を書き出しておく
といった小さな工夫が、気持ちを前向きに保つ助けになります。
HSK勉強法に正解は一つではありませんが、「自分なりに続けられるやり方」を見つけることが、結果として一番の近道になります。少しずつでも前に進んでいることを実感しながら、HSK合格という目標に向かって一歩ずつ積み重ねていきましょう。