
中国語文法の特徴とは?
中国語の文法は、日本語や英語と異なるルールが多く、初めて学ぶ方にとっては戸惑うこともあるかもしれません。しかし、実は中国語の文法はシンプルで覚えやすい部分も多く、慣れてしまえばスムーズに会話ができるようになります。
中国語文法の特徴を一言で表すと「語順が重要で、活用がない」こと。これを軸に、文の組み立て方や品詞の使い方を身につけていきましょう。
中国語の基本語順を押さえよう
中国語の文法を理解するうえで、まず覚えるべきは語順です。日本語とは異なり、語順が変わると意味が通じなくなることもあるので注意が必要です。
基本の語順:主語+動詞+目的語
中国語では「SVO(主語・動詞・目的語)」が基本の語順です。これは英語と同じ並び方で、非常にシンプルです。
例文:
我吃饭。
(wǒ chī fàn)
=私はご飯を食べます。
このように、文法的な活用が少ない分、語順のルールを正しく覚えることがとても重要になります。
形容詞や副詞の位置
形容詞は名詞の前、副詞は動詞の前に置くのが基本です。
例:
漂亮的衣服(piàoliang de yīfu)=きれいな服
他认真工作(tā rènzhēn gōngzuò)=彼は真面目に働く
副詞や形容詞の位置を誤ると、意味が不自然になるので注意しましょう。
動詞の活用がない?中国語の時制表現
日本語や英語では、動詞の形が変化して時制を表現しますが、中国語では動詞の活用が基本的にありません。では、どのように過去や未来を表すのでしょうか。
助詞や時間語で時制を表す
動詞の形を変える代わりに、以下のような要素で時制を表します。
* 了(le):過去や完了を示す
* 在(zài):進行中を示す
* 会(huì):未来や可能性を示す
例:
我吃了饭(wǒ chī le fàn)=私はご飯を食べました
我正在吃饭(wǒ zhèngzài chī fàn)=私は今ご飯を食べているところです
我会吃饭(wǒ huì chī fàn)=私はご飯を食べる予定です
時間の単語を入れて補足する
中国語では、「昨日」「明日」「今」などの時間語を入れることで、文の時制をはっきりさせることができます。
* 昨天(zuótiān):昨日
* 今天(jīntiān):今日
* 明天(míngtiān):明日
例:
昨天我去北京了。=昨日、私は北京に行きました。
中国語の疑問文の作り方
質問をしたいときの表現方法にも中国語独自のルールがあります。疑問文の基本パターンを覚えておくと、会話の幅が広がります。
「吗」を使ったYes/No疑問文
文の最後に「吗(ma)」をつけるだけで、簡単に疑問文になります。
例:
你是学生吗?(nǐ shì xuéshēng ma)=あなたは学生ですか?
「吗」があるかないかで、文の意味がまったく変わるので、忘れずに使いましょう。
疑問詞を使う疑問文
「何」「誰」「どこ」などの疑問詞を使うことで、より具体的な質問を作ることができます。
主な疑問詞:
* 什么(shénme):何
* 谁(shéi):誰
* 哪里(nǎlǐ):どこ
* 为什么(wèishéme):なぜ
* 怎么(zěnme):どうやって
例:
你在做什么?(nǐ zài zuò shénme)=あなたは何をしていますか?
他是谁?(tā shì shéi)=彼は誰ですか?
中国語の否定文の作り方
何かを否定するときも、使う言葉や語順に決まりがあります。代表的な否定の表現を覚えておきましょう。
「不」と「没」の違い
中国語には、主に2つの否定語があります。
* 不(bù):現在・未来・一般的な事柄を否定
* 没(méi):過去や完了の否定
例:
我不喝酒(wǒ bù hē jiǔ)=私はお酒を飲みません
我没去学校(wǒ méi qù xuéxiào)=私は学校に行きませんでした
否定文の語順
否定語は基本的に「動詞の前」に置きます。
例:
他不喜欢咖啡(tā bù xǐhuān kāfēi)=彼はコーヒーが好きではありません
我们没看电影(wǒmen méi kàn diànyǐng)=私たちは映画を見ていません
量詞を正しく使うのが中国語のコツ
中国語では、名詞の前に「量詞(りょうし)」という単語を挟んで数を数えます。これは日本語にはない特徴で、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。
量詞の基本構造
数を表すときは、以下のような順番になります。
「数字+量詞+名詞」
例:
一只猫(yì zhī māo)=1匹の猫
三本书(sān běn shū)=3冊の本
よく使う量詞一覧
* 个(gè):最も一般的な量詞(人・物など)
* 本(běn):本、雑誌など
* 张(zhāng):紙、チケットなど
* 只(zhī):動物など
* 条(tiáo):細長いもの(川、道、魚など)
量詞の使い方は単語によって決まっているため、語彙とセットで覚えるのが効率的です。
語順の変化にも注目しよう
中国語には副詞や目的語の位置を変えることで意味が変わるパターンもあります。特に重要な構文をいくつか紹介します。
把構文
「把(bǎ)」を使うことで、動作の対象を強調する構文が作れます。
例:
我把书放在桌子上了。=私は本を机の上に置きました。
被構文
「被(bèi)」を使うと、受け身の文になります。
例:
这本书被他看完了。=この本は彼に読まれました。
こうした構文は少し応用的ですが、使いこなせると表現の幅が一気に広がります。
まとめ:中国語文法はパターンを覚えれば簡単!
中国語の文法は、活用がないぶん、語順や構文パターンがとても重要です。最初は覚えることが多く感じられるかもしれませんが、パターンごとに整理して覚えれば、自然と文を作れるようになります。
初心者の方は、まず以下のポイントを重点的に練習するとよいでしょう。
* SVOの基本語順
* 「不」「没」などの否定表現
* 「吗」や疑問詞を使った質問文
* 時制を表す助詞の使い方
* 名詞とセットで覚える量詞の組み合わせ
地道にコツコツと続けていけば、文法の知識が自然に身につき、会話にも自信が持てるようになりますよ。